コインチェックの取引所は、販売所とは全く異なるシステムです。
そのため、どんな通貨を扱っているのか、販売所と比較してどんなシステムがあるのかを理解しておくことは大変重要です。
なるべく手数料を抑えて取引をしたいけど、どんな通貨を扱っているの?
取引所はシステムを理解していないと損失を出す場合もあります。その点しっかり解説します。
この記事では、コインチェックの取引所はどんなものなのか、何ができるのか、扱っている仮想通貨はどんなものなのかを詳細に解説します。
- そもそもアプリ版では取引所がどこにあるのか分かりづらい
- 販売所と違いスプレッドが小さく取引コストが小さく抑えられる
- 取引所でも仮想通貨によっては注文方法が異なる
- 取引所では限られた仮想通貨しか取り扱われていない(4種類)
- そのため、各仮想通貨の特徴は理解しておくべき
コインチェックの取引所の特徴
まずはコインチェックの取引所の特徴を押さえておきましょう。
- 扱っている仮想通貨は4種類
- 基本的には全て「指値注文」
- ビットコイン(BTC)のみトレードビューで「逆指値」および「成行」での売買も可能
- アプリ版の取引所が見つからない
扱っている仮想通貨は4種類
コインチェックの取引所で扱っている通貨は、販売所の16種類と比較して4種類です。
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- モナコイン(MONA)
- パレットトークン(PLT)
実は、Google検索で「コインチェック 取引所 通貨」と検索すると以下の検索結果が一番最初に出てきます。
以上の結果は、販売所で取り扱っている通貨と取引所で扱っている通貨の合算(重複除く)をしているため、正確ではありません。
正確には、取引所は4種類ですので、お間違えの無いようにお願いいたします。
販売所で買ったけど取引所で扱いが無い場合もありますので注意です。
各種通貨の詳細については、後述いたします。
取引所では、基本的に「指値注文」のみ
コインチェックの取引所での注文方法は基本的に「指値注文」のみです。
指値注文とは
指値注文とは、売買の値段を現在価格よりあらかじめ指定し、現在の価格よりも有利なレートで注文します。買い注文であれば、現在価格から見て、指定した価格以下で買いたい場合に発注し、売り注文であれば指定した価格以上で売りたい場合に発注します。
指値注文のメリットは、指定した価格で取引を行うことが可能な点です。後述する成行注文とは異なり、取引量が多い仮想通貨を扱う場合(注文量が多い)は指値注文が無難であると言えます。取引量の少ない仮想通貨では注文が少なめになりますので、なかなか約定しにくいというデメリットがあります。
初めての方には少し難しいですが、これを知っておかないと頭が混乱します。
ビットコイン(BTC)のみトレードビューより「逆指値」「成行」の注文が可能
まず、トレードビューってなに?っていうことですが、まずはメイン画面を選択してください。
※トレードビューはPC版のみです。
下記画面になります。右下に「逆指値」や「成行」の文字が見えると思います。
逆指値注文とは
指値は、買いであれば現在の価格以下で買い注文、売りであれば現在の価格以上で売りを出す注文方法ですが、逆指値は買いであれば現在の価格以上で買い注文、売りであれば現在の価格以下で売り注文を出す方法です。
買い注文であれば、さらに価格が上昇するだろうと見込んでの買い(順張り)。売り注文であれば、これ以上損失を拡大させないための売りが可能になる点です(損切)。
成行注文とは
成行注文は、値段の指定なしに注文することを言います。注文を出した時点で最も価格的に有利な相手と即約定します。買い成行注文であればその時点で最も安く注文していた相手と約定し、売り注文であれば、その時点で最も高く注文していた相手と約定します。
基本的に即売買したい場合は成行で良いでしょう。指値注文よりも優先して約定します。しかしながら相場とは無関係に約定する点や、自分の予想よりも高かったり安かったりする値段で売買は成立してしまう可能性がありますので注意が必要です。
以上はビットコイン(BTC)のみ可能になっていますので、その点ご注意ください。
コインチェックでの入金方法から仮想通貨の購入方法は下記にて詳細に説明しています。
そもそもアプリ版の取引所が見つからない
コインチェックアプリではよくある悩みです。
コインチェックの取引所で扱っている仮想通貨
コインチェックの取引所で扱っている仮想通貨は4種のみです。
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- モナコイン(MONA)
- パレットトークン(PLT)
販売所で購入してから取引所で取引しようとしても扱っていない場合が多いので注意してください。
ではそれぞれの特徴をさっと解説します。
発行上限 | 通貨の発行上限 |
流通量(2022年6月) | 現在市場に出回っている通貨の量 |
時価総額 | 流通量×価格 |
トランザクション承認方法 | マイニング方法 |
送金速度 | 1ブロックが承認されるまでの時間 |
ブロックサイズ | 1ブロック当たりの容量 |
ビットコイン(BTC)
ビットコインと言えばすべての仮想通貨の祖。
まさにKing of Crypto Currensy(暗号通貨の王)といったところでしょうか。
ビットコイン自体の歴史は非常に長いですが、そのスタートは2008年から2009年初頭です。
ビットコインの基礎知識についてはここでは説明しませんが、別の記事で詳しく、分かりやすく説明しています。
ビットコインの特徴
ビットコインの強みは、インターネットに繋がるパソコンやスマホ、タブレット、
さらにウォレットと秘密鍵を持っていれば誰でもどこへでも送金可能なことです。
つまり、通信が届きさえすれば宇宙にいても月にいても世界中の銀行が全部ぶっ潰れても、国がなくなっても、送金と受領が可能です。
これは言い方を変えれば、どんな状況下(厳密にはP2Pネットワークが存在する限り)においても一定の条件下で資産が守られることを意味しています。
これはビットコインのみならず仮想通貨全般に言えることの一つです。
仮想通貨として時価総額の最も高いビットコインだからこそ、その点は圧倒的に信頼できるものであると言えます。
発行上限が2100万枚と少ないのも大きな特徴です。つまり出回るビットコイン数は他の仮想通貨と比較して非常に少ないのが強みです。
資金流入が大きくなればなるほど、他の仮想通貨よりも価格が上がりやすいです。
ビットコインの問題点
とにかく、マイニングに多量の電力を消費する点と、スケーラビリティ問題です。
電力の消費量はヨーロッパの小国の1年分の消費電力に匹敵すると言われています。
今後、環境問題に対する各国の対応を想定するに、マイニング自体が禁止される可能性がありますのでその点は常に気を配って注視する必要があります。
またスケーラビリティ問題では、昨今4MBまでブロックサイズが上昇したとはいえ、相変わらずの送金速度の遅さ。
通貨としての能力は低いと言わざるを得ません。
ビットコイン詳細
発行上限 | 2100万枚 |
流通量(2022年6月) | 1900万枚 |
時価総額 | 39兆3000億円 |
トランザクション承認方法 | PoW(プルーフオブワーク) |
送金速度 | 10分以上 |
ブロックサイズ | 4MB |
ビットコインの詳細やホワイトペーパーはリンクから確認できます。
ホワイトペーパーではサトシ・ナカモトの論文を読むことができます。
ビットコイン値動き(2022年6月)
イーサリアムクラシック(ETC)
イーサリアムクラシック(ETC)はイーサリアム(ETH)からハードフォークした仮想通貨です。
ハードフォークを分かりやすく言うと分裂です。
イーサリアムの基礎技術やこれまでの取引記録はそのままに、別のブロックチェーンとして新たに誕生ました。
基本的な能力はイーサリアムと同じです。
値動きに関しても、イーサリアムのハードフォーク品ですのでイーサリアムの動きに連動する傾向にあります。
イーサリアムクラシックの特徴
イーサリアムと全く異なり、発行上限が存在します。
イーサリアムは発行上限が無制限となりますが、イーサリアムクラシックは2億1000万枚とビットコインの10倍程度です。
また、イーサリアムからハードフォークした仮想通貨なので、イーサリアムと同様のスマートコントラクトを用いることか可能な点も見逃せないでしょう。
イーサリアムクラシックはそのトランザクション承認(取引承認)が早い点も注目です。
ビットコインが10分かかるところ、15秒程度で完了します。
イーサリアムクラシックの問題
基本的にはマイニング(取引承認作業)はPoW(プルーフオブワーク)で行われますので、電力使用料が莫大になる傾向にあります。
今後、各国の環境問題に対する姿勢によっては、このPoWはかなり厳しい局面を迎えると見られています。仮想通貨自体を根底を覆すこの動きにどう対応するかが注目されます。
イーサリアムクラシック詳細
発行上限 | 2億1000万枚 |
流通量(2022年6月) | 1億3500万枚 |
時価総額 | 2900億円 |
トランザクション承認方法 | PoW(プルーフオブワーク) |
送金速度 | 15秒程度 |
ブロックサイズ | 1.5kB~4kB |
イーサリアムクラシック値動き(2022年6月)
モナコイン
モナコインはビットコインの技術をベースに、その数値的パラメータを変更したものです。
基本的にその存在意義はビットコインと同様と考えてよいでしょう。
モナコインの特徴
モナコインは、2ちゃんねる発祥のアスキーアート、モナーを題材にした日本国内初の仮想通貨です。
モナコインはビットコインをベースにした仮想通貨ですが、送金速度は90秒程度。
またその流通用は1億枚程度と、ビットコインよりも多いのが特徴です。
モナコインの問題点
モナコインを支えるコミュニティの小ささが大きな問題です。
コミュニティが小さければ小さいほどハッキングリスクが高くなります。
P2Pネットワークでは、ハッシュパワー(計算能力)がネットワーク全体の50%を超えると、ブロックチェーンの改ざんが可能になります。
2018年、モナコインは実際にこの攻撃に遭いました。
これは、マイニングに参加するノード(PC)がもつ計算能力の少なさを突いた攻撃です。
モナコイン詳細
発行上限 | 1億500万枚 |
流通量(2022年6月) | 6500万枚 |
時価総額 | 44億円 |
トランザクション承認方法 | PoW(プルーフオブワーク) |
送金速度 | 90秒程度 |
ブロックサイズ | ー |
モナコイン値動き(2022年6月)
パレットトークン
パレットトークンは日本で生まれた仮想通貨であり、エンタメ分野に特化した仮想通貨です。
2021年7月に国内初となる「IEO(Initial Exchange Offering)」を実施し、新規発行トークンの販売を行ったことがスタートです。その歴史は浅いですが、その分今後の値上がりに期待したいところです。
パレットトークンの特徴
パレットトークンは独自のアプリケーション「Pelette」で使われる仮想通貨です。
「Pelette」はデジタルアイテム(NFT)を発行・流通するためのプラットフォームで「PLT Place」というNFTマーケットプレイスでの売買にパレットトークンを利用することができます。
NFTと言えばイーサリアムが有名ですが、イーサリアムでの取引はその手数料の高騰が問題視されています(通称ガス代)。
その点、パレットはユーザーの手数料を無料化することによって、NFTの普及に貢献しようという試みがされています。
パレットトークンの問題点
パレットトークンの取引承認作業は、基本的にPoA(プルーフオブオーソリティ)という方法で行われます。
これは、ある限られたネットワーク参加者のみが取引承認を行うことができる仕組みです。
ビットコインやイーサリアムとはまた異なった承認方法で、一部中央集権的と言われる要素を持っています。
詳しくは、パレットトークンのホワイトペーパーをご覧ください。(PDFが開きます。)
パレットトークン詳細
発行上限 | 10億枚 |
流通量(2022年6月) | 4億枚 |
時価総額 | 76億円 |
トランザクション承認方法 | PoA(プルーフオブオーソリティ) |
送金速度 | ー |
ブロックサイズ | ー |
パレットトークン値動き(2022年6月)
まとめ
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- モナコイン(MONA)
- パレットトークン(PLT)
- 扱っている仮想通貨は4種類
- 基本的には全て「指値注文」
- ビットコイン(BTC)のみトレードビューで「逆指値」および「成行」での売買も可能
- アプリ版の取引所が見つからない