IOST(アイオーエスティー)をご存じですか?
2020年9月頃、国内大手仮想通貨取引所コインチェックに上場を果たし、一時は上場時からかなりの値を付けた仮想通貨です。
ビットコインやイーサリアムと言った仮想通貨は2022年7月現時点においてはPoW(プルーフオブワーク)というコンセンサスアルゴリズムを用いています。
しかし、スケーラビリティ問題が浮き彫りとなっており、技術的な面でかなりの問題を抱えています。
そこでIOSTは、シャーディングやPoBといった技術を用いて、仮想通貨が持つ問題の解決を図っているらしい。
ちょっと何言っているか分からないから、しっかり解説してもらいましょう。
この記事では、IOST(アイオーエスティー)の技術的な優位性や最近の動向、さらに将来性をご説明いたします。
今後の仮想通貨投資の一助になればと思います。
- IOSTは「Internet of Service Token 」の略称
- IOSTとはスケーラビリティ問題を解消するために提案された
- トランザクション処理速度は驚異の10,000回/秒
- PoB(Proof Of Believability)という複雑なコンセンサスアルゴリズムを実装
- 超メジャーなプログラミング言語JavaScriptを利用して、拡張性が高い
これから出てくる用語は下記を参照してください。
- スケーラビリティ問題:取引速度の遅延などの問題点
- トランザクション:取引つまり仮想通貨の送金や決済
- トランザクション処理:取引を処理することやその速度
- コンセンサスアルゴリズム:取引に間違いがないか精査するシステム(合意形成という)
- トークン:仮想通貨と同じ意味
IOST(アイオーエスティー)とは?
名称 | アイオーエスティー |
シンボル(略語) | IOST |
発行上限 | 900億枚 |
流通量(2022年7月) | 185億枚 |
コンセンサス・アルゴリズム | PoB(プルーフオブビリーバビリティ) |
ノード運用主体 | パブリックチェーン |
IOSTとは「Internet of Service Token 」の略称で、IOST財団(シンガポール拠点の非営利財団)が提唱しました。
IOSTは、FacebookやAmazonデジタル資産の交換などの大規模サービスを、ブロックチェーンに展開していくことを目的として提案されました。
ビットコインなどの仮想通貨はスケーラビリティ問題という、取引処理速度の遅延問題に直面しています。
そのため、上記の様な大規模サービスには到底対応できないとの見方を強めています。
IOST財団はこのスケーラビリティ問題が、今後の仮想通貨の普及を妨げる要因になることを提言しています。
- 驚異の10,000回/秒という処理速度で、今後の仮想通貨利用に貢献
- Javascriptを利用した開発環境で、様々なDAppsの開発が可能
- デジタル資産交換などの大規模サービスを展開することが可能
IOST(アイオーエスティー)の特徴
IOSTの特徴を説明していきます。
- 独自のPoB(プルーフオブビリーバビリティ)というコンセンサスアルゴリズムを採用している
- 送金速度が速い
- EDSと呼ばれるシャーディング技術を実装している
- 開発環境が整っているため、今後の拡張性に期待
PoB(プルーフオブビリーバビリティ)を採用している
ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨は、PoW(プルーフオブワーク)と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムを採用しています。
これはビットコインマイナーに多量の計算をさせ、その報酬にビットコインを与えることでネットワークを維持するシステムです。
つまり、ビットコインは経済的インセンティブを対価として、安全なビットコインネットワークを維持する仕組みになっています。
しかし、このPoWにはいくつかの問題点があります。
- ビットコインネットワークを維持する為に多量のノード(PC)が必要
- 計算力が高ければ高いほど市場を支配できてしまい、中央集権化しやすい
- 多量の計算を行うので消費電力が異常に多い
一方、IOSTはPoB(プルーフオブビリーバビリティ)と呼ばれる独自のコンセンサスアルゴリズムを採用しています。
ビリーバビリティ(Believability)とはすなわち、信頼性・信憑性という意味です。
従って、PoBは、信頼性・信憑性に基づいたコンセンサスアルゴリズムです。
- 中央集権化を解消できる
- トランザクション処理を、信頼性に基づいたグループで処理することで、処理速度を向上できる
- 消費電力問題を解消できる
- 悪意のある参加者に対しては、保有トークンの全消失などの対応を行うことでネットワークから排除する
信頼性や信憑性ってなんのことを言っているの?
IOST保有量、ステーキング量、IOSTコミュニティへの貢献度などを数値化したものです。
送金速度が速い
ビットコインやイーサリアムの取引速度はお世辞にも速いとは言えません。
また、これらの取引速度の遅さは、今後の仮想通貨の普及を妨げている要因の一つになっています。
一方、IOSTは後述のシャーディングと呼ばれる技術を用いて、トランザクション処理の高速化を図ることが出来ました。
IOST | ビットコイン | イーサリアム | |
トランザクション処理速度 | 8,000件/秒 | 16件/秒 | 16件/秒 |
取引速度 | 数十秒以内 | 10分~45分 | 5分程度 |
EDSと呼ばれるシャーディング技術を実装している
ビットコインは取引の承認を行う場合、ネットワーク全体で取引の検証(計算)を行う必要があります。
IOSTは取引承認をする場合、対象となる取引データをネットワークで分割します。
分割されたデータを、グループ分けされたノード(PC)が検証していきます。
それぞれに割り振られたデータ量を検証するだけで良いので、必然的にトランザクション処理速度が劇的に向上します。
IOSTではこれを、効率的分散型シャーディング(Efficient Distributed Sharding)と言います。
シャーディング(sharding)はシャード(shard)、すなわち破片化することを意味しています。
ブロックを細分化して各々で処理させれば、処理速度が上がるよねっていうことね。
Javascriptを利用した開発環境
IOSTは、様々な大規模サービスを円滑にブロックチェーンに展開することを目的としています。
従って、DAppsと呼ばれる分散型アプリケーションの開発がしやすい開発環境を提供しています。
非常にメジャーなプログラミング言語であるJavascriptを利用し開発出来るという点は、参入障壁や開発コストを下げる面でも非常に優位に働きます。
DAppsとは分散型アプリケーションのことです。ブロックチェーンを利用した金融サービスやゲームをすることで仮想通貨を稼ぐことが出来るサービスなどの総称です。
つまり、ブロックチェーンが今後展開していく上で重要になるDAppsの開発が比較的簡単にできます。
IOST(アイオーエスティー)の価格動向と将来性
- DefiやDAppsの拡大
- 有名な取引所への上場
- IOSTと株式会社HashPaletteの提携
- IOST財団によるEVM開発者向け1億ドルファンドを設立
IOSTの価格の動きについて追ってみましょう。
IOSTは登場直後14円近くの値を付けていますが、それ以降は10円以上の値は付けていません。
その後、1円以下を彷徨いながら、2022年7月現在は1.8円前後を推移しております。
DeFiやDAppsの拡大
DeFiやDAppsでの目的としているため、これらの大規模サービスの開発が進めばより流通量が増え、価格が上がる可能性があります。
特に、DeFi分野で強りイーサリアムはその手数料(通称ガス代)やスケーラビリティ問題に直面しています。
その点、送金速度が速く手数料の低いIOSTは一定の利用価値があると言えます。
上記画像はIOSTが提携している、DeFiやNFTマーケットプレイスなどを一覧にしたものです。
有名な取引所への上場
仮想通貨が値上がりするうえで重要なことはその流通量です。
流通している量が多ければ多いほど、取引は活発化し価格の変化が現れます。
IOSTは初めて日本国内の大手取引所、コインチェックに上場を果たしました。
その後、2022年6月にはHuobiJapanへの上場を果たすなど、精力的にその活動範囲を広げています。
IOST公式によれば、今後もさらに有名な取引所への上場を果たすべく歩みを進めるとのことです。
これは2022年のロードマップで示されている内容です。
List IOST coin on more global exchanges.
IOST公式
IOSTと株式会社HashPaletteの提携
株式会社HashPaletteとは、日本初の国産ブロックチェーン、「パレット」と仮想通貨「パレットトークン(PLT)」を用い、デジタル資産の発展と拡大に寄与することを目的とした日本企業です。
2021年9月28日、この株式会社HashPaletteとIOSTが戦略的パートナーシップを締結し、共同でネットワークを運営することとなりました。
- 知的財産分野の拡大
- IOSTおよびPLTのブロックチェーンエコシステムの成長促進
- クロスチェーン技術の検討
IOSTもパレットトークンと同様、NFT分野で利用することができます。
今後、NFTの拡大が続けば、自然と価格も上昇してくるのではないでしょうか。
パレットトークンについては下記で詳細に解説しています。
パレットトークン(PLT)とは?イーサリアムとの違いや将来性を解説
IOSTによる1億ドルファンドの設立
IOSTは2022年4月、EVM関連開発者向け1億ドルファンドを立ち上げました。
- 次世代プロジェクトの育成
- IOSTのマルチチェーンエコシステムの成長
- IOSTチェーン上のアプリケーション開発の促進
以上のことから、積極的な開発が行われていると言ってよいでしょう。
積極的に開発が進められれば、技術革新が起き認知度も上がる可能性があります。
イーサリアム仮想マシンのこと。スマートコントラクトを実行する為に必要なプログラム言語を、コンピュータに理解させるために翻訳するするものです。
イーサリアムなどの仮想通貨に実装されているシステムのこと。分かりやすく言うと「物事の変化をブロックチェーンに記録・保存すること」を言います。
IOST(アイオーエスティー)のロードマップ
それでは、公式サイトで公開されているIOSTのロードマップについて、簡単にご紹介します。
- 2022年前期
- 2022年後期
2022年前期
- IOSTメインネットの新機能をアップグレードおよび改善
- IOSTクロスチェーンブリッジで、DAppsと製品の相互接続およびインタラクティブな統合を促進
- 新しいシークレットウェポンを実装して、IOSTのグローバルなアウトリーチを強化
- グローバルエコシステムパートナーとの提携
- 南アジア市場での拡販
- 3つ以上の新しいP2E(Play to earn)およびNFTプロジェクトとのパートナーシップ
2022年後期
- IOSTインフラの開発、アップデートと保守
- IOST開発アプリケーションを開発し、NFT、GameFiおよびMetaverseのアプリケーション強化
- 3つ以上の新しいプロジェクトへの出資
- Web3関連で新しいパートナーシップとの提携
- ヨーロッパおよびアメリカでのエコシステムの成長促進
- 更なる取引所への上場
- 長期保有者に向けた新たなプログラムを開始
開発のみならず、市場拡大や保有者に向けてのプログラムもあることがすごく好印象です。
IOST(アイオーエスティー)を買うならコインチェックでOK
IOSTの購入はコインチェックでOKです。
IOSTは海外取引所でも購入可能ですが、手数料が高額であったり、別の仮想通貨で購入する必要もあります。
その点、コインチェックはアプリ画面も非常に見やすく、直感的な操作が可能になっています。
コインチェックでの口座開設方法は以下の記事で詳細に解説しています。
コインチェックのセキュリティが心配という方は、こちらの「徹底解説!!コインチェックは危ない!?セキュリティは万全なのか?」記事をご覧ください。
まとめ
今回はIOSTの将来性と特徴について説明いたしました。
少し技術的な内容が多くて難しかったかもしれません。
- IOSTは「Internet of Service Token 」の略称
- IOSTとはスケーラビリティ問題を解消するために提案された
- トランザクション処理速度は驚異の10,000回/秒
- PoB(Proof Of Believability)という複雑なコンセンサスアルゴリズムを実装
- 超メジャーなプログラミング言語JavaScriptを利用して、拡張性が高い
- 独自のPoB(プルーフオブビリーバビリティ)というコンセンサスアルゴリズムを採用している
- 送金速度が速い
- EDSと呼ばれるシャーディング技術を実装している
- 開発環境が整っているため、今後の拡張性に期待
難しい内容であったかもしれませんが、今後も仮想通貨投資を行っていくのであれば、勉強も少しずつ進めていくことをおすすめします。
下記記事を参考にしていただけますと幸いです。